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簪(かんざし)は、1941年(昭和16年)に公開された松竹配給の日本映画。松竹大船撮影所製作、モノクロ、16mmフィルムで、「土橋式フォーン」を採用したトーキー作品。井伏鱒二原作『四つの湯槽』を元に、清水宏が脚色して監督も努めている。清水が監督した『按摩と女』にも設定が似通っている。 夏休みに山中の温泉宿に集った泊まり客たちの長屋のような人間模様を交えながら、落とした簪をきっかけにめばえる男女の恋を描いた佳作。製作当時は日中戦争の泥沼と太平洋戦争開戦を控えた困難な社会状況でありながらも、人里離れた温泉宿を舞台にすることで、世相の厳しさが少し和らげられてやや牧歌的に描かれている。 後に日本映画史を代表する俳優となる田中絹代と笠智衆がうら若きカップル(2人とも30歳代)を演じている。ちなみに、主演の田中はかつて清水監督と「試験結婚」をして家出をして分かれた関係であり、またこの作品の設定や映像には清水の田中への思い入れが反映されているようにも感じられる。 海外では「Ornamental Hairpin」または「Kanzashi」という英題で知られている。 ==キャスト== *田中絹代 … 太田恵美(字幕では「惠美」)(おおたえみ);蓮華講の女性 *笠智衆 … 納村猛(なんむらたけし);傷痍軍人らしい青年 *斎藤達雄 … 片田江先生;気難しい先生 *日守新一 … 広安(字幕では「廣安」;若い気弱な男 *三村秀子 … 奥さん;広安の妻 *河原侃二 … 老人;碁の好きな老人 *爆弾小僧|横山準 … 太郎;老人の孫 *大塚正義 … 次郎;老人の孫 *川崎弘子 … お菊;恵美の友人 *坂本武 … 宿の亭主 *松本行司 … 宿の番頭 *油井宗信 … 徳さん;按摩 *大杉恒夫 … 恒さん;按摩 *寺田佳世子 … 宿の女中 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「簪 (映画)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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